発売から遅くなったけど、『TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 4 上 ~ヘンダーソン氏の福音を~』を読み終わりました。いや〜相変わらず面白いですね。
それも今回からweb版に大きく加筆がされて、本編ルートに修正が入ってますよ。web版読者も楽しめる展開があって、大いに楽しめました。早く5巻が待ち遠しいです。
TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 上 ~ヘンダーソン氏の福音を~ とは
無料小説サイト『小説家になろう』連載中の書籍化作品。TRPG風のシステムが使えるファンタジー世界に転生したエーリヒが最強ビルドを目指す物語。
この作品の見どころとしては、人外のヒロインや妖精、武器などファンタジー色が強い世界観と主人公だけの特権であるTRPG風の経験点を割り振ってスキルを獲得し強くなっていくところです。例えば、アラクネの幼馴染やチェンジリングの妹、中性体の同僚など魅力的なヒロインが登場するところがオススメです。4巻では不死性を持った謎の少女も登場するので、ぜひ読んでみて下さい。
『TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 4 上 ~ヘンダーソン氏の福音を~』
作者 Schuld
イラスト ランサネ
発売日 2021年6月25日
あらすじ
ちょっとしたお遣いのはずが不死者ひしめく迷宮に挑む羽目になり、なんとか攻略したデータマンチ転生者エーリヒ。
彼は共に命を懸けた友であるミカと療養後、ヤバすぎる戦利品やお遣いの品を手に帝都へと帰還を果たす。
そして魔導師(マギア)アグリッピナから破格の報酬を得るのだが、そのアグリッピナが出掛けたまま行方知らずに!
エーリヒは彼女を心配して捜索を――なんて気は全く無く、兵演棋(ボードゲーム)の駒を売る小遣い稼ぎに精を出すのだった。
そこで知り合った僧の少女とささやかな友情を育むが、その縁から今回もトラブルに……!?
ヘンダーソンスケール行方不明のデータマンチ冒険譚、第4幕が開演!
感想
序章
前回の冒険の後日談から始まる今巻ですが、序章で1番の見所はミカとエーリヒの乗馬シーンだろうね。エーリヒの顔がイケメン過ぎるしミカの顔が女の顔過ぎてイチャイチャしすぎでしょ。笑
それにしてもミカがエーリヒを揶揄ったり、エーリヒがミカの肩に顔を乗せたりしてるところを見ると、男女のカップルにしか見えないですね。今後、読者のみんなはミカを男として観れるのかな?
話を本筋に戻すと、エーリヒは前回の戦闘でボロボロになってしまっていたけど、新たな武器を手に入れてワクワクする展開になって好きなんですよね。それもエーリヒが手に入れるのは強力な武器であり、剣自体に人格みたいなのがあるところが大好物です。渇望の剣をイラストで見ると凄く禍々しくて呪いの剣に見えて笑えますよ。それでも渇望の剣を手に取って再評価する流れでは、渇望の剣がエーリヒの言うことを聞いていたりと憎めないところにギャップがあって良いんですよね。
ミカとエーリヒの格好つけている臭いセリフの掛け合いは読んでいて、小気味の良さがあって好きだなって改めて思いました。特に女性バージョンのミカは魅力マシマシです。ずっとこのままでもいいんだよって言いたいですね。正直、初めてミカが登場した時は中性体のヒロインってとっつき難いかなって思っていたけれど、印象がガラリと変わりました。凄く魅力的なヒロイン兼相棒って感じでミカのことがより好きになります。
少年期 十三歳の初冬
アグリッピナに旅の報告をする場面で加筆がありますね。web版だと運んできた本について放置だったと思うんですが、書籍版だとアグリッピナがエーリヒの隣で読んでいるエピソードが追加されてます。その際に危険を感じてか渇望の剣が勝手に飛んできたのは笑いました。やはりそれ程危険なものだったんですね...
それにしても渇望の剣は規格外です。凄そうなアグリッピナの守りを貫通するってそれだけで強いの分かりますよね。
少年期 十三歳の冬
妖精達の悪戯
戦闘で付いたエーリヒの怪我がロロットたちの悪戯(好意)によって無くなっていたことに対して、エーリヒが怒っているエピソードは、何度読んでも面白いですね。そしてここにも加筆あって読み応えあります。web版だとロロットはおもて傷を消して、灰の乙女は髭を生やさないようにしていただけでしたが、書籍版だとウルスラも悪戯しています。面白いエピソードなので、是非、確認してみて欲しいです。
ちなみにこのエピソードには、ウルスラの挿絵があります。とぼけているような表情のウルスラがかわいいです。
新たな魔術の実験
エーリヒが前世の知識を利用して大火力かつ低燃費の魔術を開発する回。化学と魔術の融合で全てを溶かす業火を作り出すのはワクワクしますね。それにしてもテルミットとかFPSゲームでしか聞かない単語で、説明されてもちんぷんかんぷんでした。笑
この時のエーリヒはどんな相手を想定して作り上げた魔術なんでしょうか...単純な火力は強力でも対人戦じゃ使い勝手悪過ぎる気もします。ただ単にロマン砲なのかもしれませんね。エーリヒならあり得そうです。まあ不死相手には有効でも屋内だと自傷してしまいそう...やはりもっと別の魔術を開発した方が良いんじゃないかと思っちゃいます。
そして謎の吸血鬼の紳士殿にエーリヒの魔術跡を目撃されてしまいましたね。まあこの紳士殿が紳士であったからエーリヒの新魔術がバレずに済んだのはラッキーでした。それにしても紳士殿が格好いいおじ様みたいなイラストで素敵です。
妹の覚悟
エリザは兄であるエーリヒが怖い魔術を開発理由を聞いて成長するキッカケになるのはワクワクしますね。エリザの今後が楽しみになる展開になりそうで楽しみです。それに何の半妖精なのかって疑問も出てきてエルザ関連も早く読みたくなってきます。
エーリヒもエーリヒで怖い魔法の開発理由をエルザの為って言ってしまったのは自業自得ですね。怖い魔術を作ることが楽しいからって素直に言えば良かったのに...それが今後のエーリヒの首を絞めることになりそうですけど、読者としては面白いです。
少年期 十三歳の初春
ミカと乗馬デート
ここは加筆されたエピソードで、今後登場する飛行船がなぜ来るのか等を補足しています。エーリヒとミカの乗馬デートもあります。乗馬デートといっても別々の馬(カストルとポリュデウケス)に跨り疾走するわけだけど、ミカはポリュデウケスの速さにビビったりと友達と遊びに行く感じなんですけどね。それもこのエピソードではミカは男性体になっているみたいです。それでもミカはあざといので読んでいて、めちゃくちゃ面白過ぎます。
エルザとミカと祭り
ミカに祭りを誘われたエーリヒはエルザも一緒に連れて行くことになり、web版ではなかったエルザとミカの出会いが描かれています。エルザは祭りに喜んでいるしミカは逆ナンされているって面白いエピソードになっているんだけれど、ファンタジーの世界観らしいエピソードになっています。
十三歳の初春は全て加筆された書籍版だけのオリジナルエピソードなので見どころ満載で良かったです。
少年期 十三歳の春 少年期
エーリヒのバイト
ここからのエピソードはweb版の中で一番好きなエピソードなので、凄く期待して読んでいました。何より新ヒロインの登場とレベルアップしたエーリヒの活躍が読める章なので、凄くワクワクします。
夜陰神の僧との一局はエモい雰囲気がありますよね。言葉に言い表せないような心地よいシーンであり、読み応えがあって好きです。それに何度も夜陰神の僧が通っていたり勝ち負けの帳簿をつけていたりして、可愛らしいところがあるのが好きです。
少年期 十三歳の晩春
ミカと駒売り
web版では登場しなかったミカがこの章に参戦です。ミカ(男性バージョン)と一緒に駒を作って屋台で売るエピソードが追加されました。ミカとエーリヒは色っぽい駒を作っていたわけだけど、売るときに限ってミカが女性バージョンになっているんですよ。そしてエーリヒだけ非難されるってテンプレ的展開で面白くて好きです。
それにしてもどの世界でも色っぽい駒は売り切れるぐらい人気なんですね。笑
空から女の子が...
駒売りを終えたミカとエーリヒは街を歩いていたら空から女の子が降ってきた。web版と違い、このシーンでもミカがいます。正直に言うと、web版の方が良かったのではとモヤモヤした気持ちで読んでいたのですが、中幕まで読み終えるとコレはこれでアリだなって結論になりました。
まずミカがいることで会話のテンポが良くなっていることと夜陰神の僧ことツェツィーリアの活発さがより表されていて、楽しい逃亡エピソードになっています。ツェツィーリアに振り回されて、エーリヒが大変な思いをしてるところが面白いので、書籍版ルートもおすすめです。
中幕
追手との対決
ツェツィーリアを守る為、エーリヒとミカが追手と対決。それも手段を選ばない小悪党達との対決で見応えあります。それもエーリヒを怒らせることを小悪党の一人が言ってしまうので、エーリヒはウルスラの力まで借りて大活躍です。相手の光を奪うウルスラの能力はエーリヒの剣技と相性良過ぎて最凶すぎるコンボで格好良過ぎました。今後も使って欲しい戦法です。
それにエーリヒがミカに対して軽口で愛してるとか言ったり見どころあり過ぎる回でした。子悪党の水棲人が思いの外、強敵だったりと読み応えあったしファンとしては満足できるエピソードでした。
ツェツィーリアの秘密
ツェツィーリアの秘密が明かされて4巻本編が終了するという海外ドラマにありそうな終わり方にグッと引き込まれました。ツェツィーリアがスライムに飲み込まれて全てが終わってしまったかのような絶望感が読んでいて感じれられたし、その後のツェツィーリアの復活は分かっていてもテンションが上がりました。
それに復活を遂げたツェツィーリアの挿絵が不思議な魅力がある気がします。魔性な魅力と言いますか無邪気と言いますか、分からないけれど凄く引き込まれる笑顔です。
それにしてもエーリヒは未だ発展途上と言わざる得ませんね。詰めが甘いところはストーリー的には面白いけれど、今後取り返しのつかない大きなミスをしそうで怖いです。これで吸血鬼の紳士殿に勝てるのかって心配しちゃいます。
ヘンダーソンスケール2.0 Ver0.1
今回のヘンダーソンスケールはライゼニッツ卿とのルートでした。老人となったエーリヒは未だ英雄として人を助けているところを読めるのは良いですね。いつまでもエーリヒはエーリヒなんだなって分かるルートだと思います。そしてエーリヒが年老いてもウルスラとロロットだけは残り続けているってすごい一途だなって嬉しくなります。
ライゼニッツ卿はいつまでも変態であったりエーリヒはどの歳になっても衣装合わせに付き合わされるなど、小ネタが多くて面白いエピソードでした。それにライゼニッツ卿の挿絵が超可愛いっす!
まとめ
TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 4巻では、web版とは違う展開が待っていてどうなんだろって不安がありましたが、読み終わってみればすごく満足できる出来でした。加筆された部分で盛り上がる展開が待っていてweb版読者も楽しめると思います。
5巻ではどんな展開が待っているのか楽しみです。