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【書籍版】待望の『願わくばこの手に祝福を 第3巻』を読んでみた感想

『願わくばこの手に祝福を 第3巻』が発売されました。今回は3巻を読んでの感想の為、ネタバレを含みます。まだ読んでない方は、ぜひ購入して下さい! 超おすすめの作品です。

『願わくばこの手に祝福を』とは...

無料小説サイト『小説家になろう』で現在も連載中の大人気小説で、王道ファンタジー作品です。

この作品の見どころとしては、主人公ルーギスが時間逆行し過去をやり直すことで英雄としての道を歩いていく王道なストーリーも面白いですが、個性的でヤンデレなヒロイン達との絡みでしょう。章が進むごとに過激になっていくヒロイン達の行動にドギマギしながら読み進めていけるところがオススメポイントです。

勿論、戦闘描写も面白いです。特に主人公の憧憬相手である英雄殿との対決や師弟対決などは神回と言っていいほど熱量があります。僕なんかそのシーンが読みたいが為に何度も最初から読み返したほどです。

それくらいおすすめしたい作品なので、まだ読んだことない人は是非読んでほしいです。

『願わくばこの手に祝福を 第3巻』

作者 ショーン田中

イラスト おちゃう

発売日 2021年3月26日

あらすじ

自らの過去へ戻り、かつて失った尊厳を取り戻す旅をしている冒険者ルーギス。

エルフと同盟を結ぶため彼らの統治都市・空中庭園ガザリアに赴いたものの、老王ラーギアスの謀略に嵌り、囚われの身となってしまう。

これが後にガザリア内戦と目される壮大なクーデターの始まりだった。

エルフの姫君・エルディスの騎士となった彼は、智略を巡らせ、大軍を率いて、王座を目指す。

これが真の英雄へと至る道――凡庸な君よ、その手に栄光を掴み取れ!

一発逆転リプレイ・ファンタジー第3弾!

感想

今回の表紙であるエルディスはボーイッシュに描かれていて格好良かったですよね。それよりもルーギスが今までで一番格好いい顔してたのが印象的だった。

正直、今までのルーギスの顔は主人公顔ではないなって思っていたから、今回のイラストはすごく好きです。

ガザリア内戦『戦場の所有者』 〜『ドブネズミの物語』

ルーギスvsヴァリアンヌ

ガザリア内戦が始まって最初の山場はヴァリアンヌどの対決。ヴァリアンヌはエルフの王と姫との板挟みにあっていた不憫なキャラだったけれど、印象に残るキャラでもあったと感じました。

最終的にヴァリアンヌはルーギスやエルディスを裏切り敵対することになったが、ヴァリアンヌが裏切ることになった背景が描写されていてやり切れない気持ちになりました。さらにヴァリアンヌの最後が悲惨であったことが、余計にそう思うのかもしれません。

web版も含めてもヴァリアンヌの最後が一番キツいのでは思ってしまうのは僕だけだろうか...

ヴァリアンヌとの対決をしている時のルーギスは英雄ではなく未だドブネズミだと書き分けているのかもしれませんね。泥臭い戦い方をするルーギスだが、ヴァリアンヌとの戦いは顕著に泥臭くて卑怯な戦い方だと思います。

聖女マティア落ちる

マティアは今までルーギスについて感情の整理が出来ていなかったが、ルーギスがやられてしまう瞬間を目撃し反射的に動いてしまった瞬間から「マティアは落ちた」と言っても良いでしょう。

今まであれこれこねくり回していた感情は一気に吹き飛び、体が勝手に動いてしまった時のような爽快感は読んでいてニヤリとしてしまいました。

ここからマティアもヒロインレースのスタート地点に立つのだなって感じて楽しい回でした。

マティアの挿絵も格好いいし素晴らしいです。

フィアラートの活躍とルーギスとの絡み

ルーギスの勘違いにより呼び名を間違えられたフィアラートが激怒するシーンはやはり面白すぎました。それもそのシーンに挿絵があるって分かってますね!

フィアラートが怒っていてルーギスが冷や汗をかいてるイラストはギャグ漫画のようで面白かったです。

フィアラートやヒロイン達がルーギスに対して怒っているシーンは大好物です。ルーギスには悪いが、もっと怒られて欲しいものです。

勿論フィアラートやヒロインたちの良さはそれだけではありません。今回の場合は、フィアラートの独白からの新たな魔法を放つシーンは圧巻です。

ルーギスの無茶な要望に応えようとフィアラートは無理をすることになるのだけれど、フィアラートの独白はグッとくるものがあります。フィアラートが使う魔法の難易度の高さやルーギスへの想いが伝わってきて、とても良いシーンでした。

そしてその魔法が戦場に与える影響の大きさが、すごく格好良く映って感動すらします。

カリアの活躍とルーギスへの想い

3巻で一番割を食ったのはカリアでしょう。ルーギスの前で活躍したいという想いやルーギスを守りたいという想いをカリアは持っているにもかかわらず、ルーギスはそんなものは知らないと前へと進んで行ってしまうところなんか泣けてきてしまいます。なんて不憫なヒロインなんだ...

カリアは一見、暴力的でワガママなキャラのように見えて実際は一番メンタルが不安定なヒロインなところにギャップ萌えしますよね。カリアの弱音を吐くシーンは凄くヒロインらしくて好きです。

そしてルーギスへの想いと置いてかれた苛立ちを魔猿にぶつけるところは格好良かったです。魔猿に対抗する為に、ルーギスに言われた言葉を思い出すところなんかは王道過ぎて鼻血が出ますわ。

ガザリア内戦編は名シーンばかりで好きな章です。

ドブネズミvs英雄

カリアを置いて、エルディスの静止すら聞かずにエルフの英雄ラーギアスと対決しにいくルーギスの独断専行は真骨頂であり悪癖でもある。その悪癖を付き合いの浅いエルディスにすら咎められてしまうところはルーギスらしいなって思うし、必死さも伝わってきて好きなところでもあります。

ルーギスは過去に戻っても負け犬、ドブネズミの思考を未だ有していたんでしょう。そしてラーギアスとの対決で、そのドブネズミとしての矜持を捨て去るキッカケにもなった。

ルーギスがラーギアスと対決しなければ、きっとこの先も自身の中にあるドブネズミを殺し切ることは出来なかったかもしれないと思うと、ルーギスにとっても大事な物語だったのだろうと感じます。

ルーギスが英雄の最期を敬意をもって見送るシーンは最高に格好良くて好きです。

聖女マティア編『騎士たる者達』〜『重なり合う道筋』

ガザリア内戦の後日談と動き出す物語

聖女マティアがルーギスをわざわざ探し出し小言を言いに来るところなんかは意識してるとしか言いようが無くてソワソワしますよね。案の定、その後のマティアの独白でルーギスを意識してしまってるのが分かります。マティアがルーギスのことを意識してしまって訳がわからなくなっているところは可愛いですよね。

それにしてもルーギスがセンチメンタルな気持ちになっている時に訪れるのが聖女なところを見ると、マティアは良い役割を貰ってますよね。

エルディスがヒロインレースに参加したことで、今まで水面下で動いていたヒロインズが表でもルーギスを取り合うようになって、ヒロインレースが今まで以上に面白くなりました。挿絵もあってギスギスしてる感じがより伝わってきて読んでいて楽しいです。

黄金の英雄殿やアリュエノの登場もあり、今後の展開に期待したくなるお話ですよね。特に我らの英雄殿が独白の最後に言う「血が、熱い」って言葉はテンション爆上がりですよ。ヘルトは相変わらず格好いいです。ルーギスの憧憬相手でもあるヘルトは、読者の期待を裏切らず英雄としてルーギスの前に立ちはだかってくるから、もっと出番が欲しいところです。web版を知っている読者としては、ヘルトとの対決は映像として観たいです!

マティア、ママになる

ルーギスの勝手な行動をキッカケにマティアのヒロイン属性に個性が生まれました。それも強烈な属性にビビりますね。

ルーギスの行動を管理して手元に置きたいという歪んだ独占欲に痺れます。この作品はどのヒロインも強烈な独占欲を持っていますが、それぞれ個性があって面白いですよね。

このお話からマティアのことを好きになった読者も多いでしょうね。このマティアの一話は僕もお気に入りです。

まあその後、マティアが暴走してルーギスを追っかけるのは知性のある聖女とは思えない行動ですけどね。マティアですら恋に盲目させられるのだなって思っちゃいます。マティアの笑顔を魔性的だと書かれていたけど、ルーギスの魅力の方がよっぽど魔性的だと感じちゃいますね。笑

かつての友人

かつての世界で友人だったブルーダー。ブルーダーの挿絵もあって満足です。盗賊のような軽装でイメージにピッタリだと思いました。男にしてはイケメン過ぎるなって顔でしたがね。笑

ブルーダーの話は次の巻から本格化する感じですね。今回はマティアと合流してお終いでした。その際にマティアの挿絵もありました。マティアのメイドみたいな私服姿は可愛かったです。

4巻が発売されることを切に願います。ちなみに僕は漫画が打ち切りになったことも納得してないです。

『かくも偉大なる者』

ここからはweb版にはない書籍版の章になります。ルーギスとエルディスが大精霊へ謁見に行くことになるお話でした。

3巻でのエルディスとルーギスの絡みが少々物足りなかったので、書籍版で補完してくれるのは嬉しかったです。ルーギスの軽口に軽口で返すところなんかエルディスらしさがあって楽しい章でした。

エルディスの軽口にルーギスが慌ててるところなんか特に良かったです。

それで話の本筋は結構重要なお話だったと思います。特に大精霊という登場人物は今後登場するであろうキャラにも関係してそうで、どうかかわってくるのか楽しみです。

またルーギスは大精霊によって大きな試練を課せられることになるわけだが、この大精霊が今後どう本編に絡んでくるのかワクワクします。

それにしてもこの時点での大精霊は強すぎましたね。ルーギスが手も足も出ない時点で格が違い過ぎました。それでもルーギスは怖がっているエルディスの手を強く握り返していたりと格好いいですね。

電子版特典SS 「知恵の聖女はかく語りき」

電子書籍限定なのでなるべくネタバレは少なめにします。

ルーギスがマティアと勉強をするキッカケとなったエピソードで、マティアが照れる貴重な回になっていて読む価値ありだと思います。

ルーギスの勉強をしない弱音を吐くシーンからマティアが聖女のようにルーギスを導く流れはとても良かったです。マティアの魅力が溢れてる凄く気持ちの良いエピソードでした。

やはりルーギスとマティアの絡みも面白いですよね。最初はルーギスも軽口を言えるぐらい気楽なのに、マティアのやり返しによっていつも負けてしまうルーギスが面白いです。

このエピソードではサレイニオも登場するので、web版ファンはニヤリとするシーンがあるかもです。

まとめ

待望の3巻がやっと発売されました!一ファンとしてとで嬉しいです。

ただ4巻以降がちゃんと発売されるのか不安で仕方ないですね。コミックが打ち切りで小説の3巻が発売されない状態が続いていたので諦めていた人多いでしょうね。

僕みたいな極一部のファンしか購入していないのではと考えてしまいます。現に僕も3巻が発売されるって情報知らなかったです。たまたまAmazonで見つけたので購入出来ましたが、知らなかったら購入してなかったかも...

でも内容は相変わらず面白いから色んな人に知って欲しい作品なんです。出版社はもっと宣伝してくれ!!

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