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劇場版 呪術廻戦0の主題歌King Gnuの『一途』の歌詞をリカちゃんと乙骨憂太目線で考察/解説。

 劇場版 呪術廻戦0の主題歌となるKing Gnuの最新曲『一途』をもう聴きましたか?今回はその『一途』について考察及び解説をしていきます。

 King Gnuの常田さん曰く『一途』は曲全体怒涛の攻撃力であり全部サビみたいなもんとコメントされています。初めてフルで聴いてみたら、その意味が分かるぐらいの攻撃力を持っている楽曲で痺れました。この『一途』が劇場版 呪術廻戦0の主題歌として流れるのかと思うと早く観たい欲が高まります。

 呪術廻戦0とは「週刊少年ジャンプ」にて連載中の、シリーズ累計5000万部発行されている超人気漫画『呪術廻戦』の前日譚です。その呪術廻戦0の主人公とヒロインである乙骨憂太と折本里香に注目しながら、『一途』を聴く歌詞とめちゃくちゃリンクする部分があるので、是非確認して欲しいです。

 ちなみに、ネタバレを含む解釈や考察が多数あるので、呪術廻戦0をまだ見てないよって方はご注意下さい。


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歌詞

最期にもう一度 強く抱きしめて

その後はもう 何も要らないよ

僕の未来も 過去も何もかも

あなたで満ちれば 後悔はないよ

生きてる証刻むの

悴む心震わせて

天秤なんて必要ないの

矛盾に脳を惑わして

正義と悪など 揺らいでしまう程

生き急いでた エンドロールは

きっと神様の 身勝手な悪戯

汚れ役だろうと 厭わないよ

矛盾だらけお互い様ね

不幸話の背比べ

首の皮一枚瀬戸際に

足掻いてちゃ白々しいね

ひとひらの想いよ

届け届けと血を巡らせて

一途に見つめます

理由なんて必要は無いの

涙の理由も知らずに

愛が体を喰いちぎった

正しさを振りかざさないで

事実が理由を喰いちぎった

鼓動が止まぬように

喧騒に薪を焚べんだ

帳を張ることすら

無粋な気がしてんだ

さあ来世に期待ね

光れ閃け猛スピードで

一途に向かいます

余力を残す気はないの

届け届けと血を巡らせて

一途に愛します

永遠なんて必要は無いの

最期にもう一度 強く抱きしめて

その後はもう 何も要らないよ

見えない未来も 消せぬ過去さえも

あなたで満ちれば 後悔はないよ

最期にもう一度 力を貸して

その後はもう 何も要らないよ

僕の未来も心も体も

あなたにあげるよ 全部全部

考察『一番』

最期にもう一度 強く抱きしめて

その後はもう 何も要らないよ

僕の未来も 過去も何もかも

あなたで満ちれば 後悔はないよ

 まず最初に謝らせてもらいます。先ほど主人公とヒロインに注目してと書きましたが、個人的には主人公である乙骨憂太目線よりもヒロインである折本里香目線で『一途』の歌詞に注目していくと面白いと思います。

 この歌詞の部分にある"最後にもう一度"というワードに注目すると、折本里香が呪いへと変貌してしまったことを差していると個人的に思います。この部分が一番のAメロ?にあたるパートであるのと呪術廻戦0の時系列から、最終決戦をイメージしているのではなく折本里香が亡くなってしまったシーンなのではないかと考えました。

 またこのパートでは"僕の未来も 過去も何もかも"とありますが、二番の歌詞にある"見えない未来も 消せぬ過去さえも"や"僕の未来も心も体も"よりもシンプルな一途な想いが、少女が考える一途な想いだなって感じます。

生きてる証刻むの

悴む心震わせて

天秤なんて必要ないの

矛盾に脳を惑わして

 この辺のパートはね、色々考えられると思います。僕も最初は夏油傑目線なのではとか考えました。ただ折本里香目線で考えたら、このパートは折本里香の生前を表現しているのではと思いました。

 折本里香は原作のおまけページで壮絶な家庭環境で生きてきたことが明かされています。5歳頃に母が亡くなったり小学校入学前に父に登山に連れられ遭難後、折本里香だけが生還するなど懸命に生きなければ生きられない経験をしています。このことから"生きてる証刻むの"は折本里香が生きようと足掻いていたことを意味している気がします。

 "悴む心震わせて"の悴む(かじかむ)とは手足が冷えて自由に動けない意味があります。そして心震わせるとは強く感動するや衝撃を受けるという意味です。擦り切れた折本里香の心に光が射したところを表しているのではないでしょうか。それは折本里香が乙骨憂太と出会ったことでしょう。

 "天秤なんて〜"からは折本里香の心の天秤が乙骨憂太に傾いていることを指していると思います。どんな手段を使おうと乙骨憂太を守る的な意味合いがあるんだと思います。何故なら折本里香の母と父はもう居なくなり、折本里香の世界には乙骨憂太しか居ないのだから...

正義と悪など 揺らいでしまう程

生き急いでた エンドロールは

きっと神様の 身勝手な悪戯

汚れ役だろうと 厭わないよ

 このパートは先ほどの続きになっています。"正義と悪など揺らいでしまう程生き急いでた"は乙骨憂太に危害が加わりそうな時や乙骨憂太を独り占めするために、何かしらしていた折本里香の生き方のことを表していると妄想しちゃいます。そもそも折本里香の嫌いなものは乙骨憂太以外の人間なので、乙骨憂太の独り占めはしていただろうし案外良い線いってるじゃないかな?

 その後の"きっと神様の身勝手な悪戯"からは折本里香の唐突の死からの呪い化の部分でしょう。死んでしまったけれど、呪いとして乙骨憂太と共にいられるからまあ良いかという折本里香の軽い気持ちを表しており、乙骨憂太に降り掛かる火の粉を払うよ的な意味合いがある気がします。

矛盾だらけお互い様ね

不幸話の背比べ

首の皮一枚瀬戸際に

足掻いてちゃ白々しいね

 僕はこの辺の考察がいっちゃん面白いと思います。よく見る考察は夏油傑の生き方のことを指しているのではないかでしょう。僕の初見時は矛盾だらけのことをお互い様ねと比較しているから折本里香が夏油傑のことを馬鹿にしてるのでは思ってました。それら考察もアリだと思えるぐらい、色々詰まっていて考察し甲斐がある歌詞で良いですよね。

 ただ個人的には『一途』というタイトルと今まで折本里香目線で考察してきたことを踏まえると、折本里香(リカちゃん)の嫉妬だと思うのが自然でしょう。

 折本里香は作中で禪院真希に嫉妬する描写があります。それは禪院真希を乙骨憂太が反転術式で助ける時に折本里香の嫉妬が爆発してしまいます。その嫉妬は折本里香自身は死んでいるのに瀕死の禪院真希は生きている為だと思われます。ただ以前から乙骨憂太が禪院真希を特別扱いしているせいで嫉妬が蓄積していったのではないでしょうか。

 乙骨憂太へ禪院真希の為に覚悟を決めたり能力を十全に使えるようになったりしますし、決定的なのは禪院真希は不幸話をしていることです。禪院真希は自身の生い立ちを話した後に、乙骨憂太へ好意を抱いた描写がありますからね。その時の顔を折本里香が見ていたらとおもうとゾッとしますよ。笑

 その辺を踏まえて歌詞をもう一度見ると、折本里香の禪院真希への嫉妬が一番しっくりきます。

ひとひらの想いよ

届け届けと血を巡らせて

一途に見つめます

理由なんて必要は無いの

 もうここは何も考えなくても折本里香から乙骨憂太への一途な想いを歌っています。ここのパートでは"一途に見つめます"の前に想いを届けと歌っていることから一方的な愛なんでしょうね。未だに愛が届いていない片思いです。

 ここまでが最終決戦の前までの乙骨憂太と折本里香の関係性を歌っているのだと思います。そしてここからは最終決戦での一途な想いが通じ合った場面を想像して聴いていくとしっくりくると思います。

考察『二番』

涙の理由も知らずに

愛が体を喰いちぎった

正しさを振りかざさないで

事実が理由を喰いちぎった

 このパートの歌詞は折本里香の女性らしさを表した良い歌詞で個人的に好きです。"涙の理由も知らずに愛が体を喰いちぎった"のところは好きな人(乙骨憂太)の愛で満たされて満足していると同時に、乙骨憂太の本当の気持ちを見抜いているんだと思います。それは次の歌詞でも表れています。

 "正しさを振りかざさないで事実が理由を喰いちぎった"ってところで乙骨憂太は本当の気持ち(正しさ)を全て曝け出しているわけではないけど、乙骨憂太の愛情表現(事実)が全て帳消しにするぐらい嬉しいということを表現しているんだと思います。

鼓動が止まぬように

喧騒に薪を焚べんだ

帳を張ることすら

無粋な気がしてんだ

 個人的に付き合いたてのカップルには種類が二通りあると思っていて、一つは周りが見えなくなるぐらい二人の世界に入っちゃうタイプと、もう一つが周りにイチャイチャを見せつけちゃうタイプのカップル。そして帳とは遮って見えなくするものの意味のことで、今回は"帳を張ることすら無粋な気がしてんだ"と歌っています。

 それらを踏まえて考えると折本里香は乙骨憂太とのラブラブっぷりを見せつけてやろうとしているところを表しているのでは解釈しました。そのラブラブっぷりを見せつけるのは、やはり最終決戦の夏油傑との対決のシーンでしょう。

さあ来世に期待ね

光れ閃け猛スピードで

一途に向かいます

余力を残す気はないの

届け届けと血を巡らせて

一途に愛します

永遠なんて必要は無いの

 このパートからは折本里香の吹っ切れた想いを歌っています。乙骨憂太の気持ちを初めて聞けて満足した様を表しているのでしょう。"来世に期待ね"や"永遠なんて必要はないの"からは両思いになったこの一瞬が全てであり、この人の為なら死んでも良いという覚悟の表れだと思います。

最期にもう一度 強く抱きしめて

その後はもう 何も要らないよ

見えない未来も 消せぬ過去さえも

あなたで満ちれば 後悔はないよ

 ここは折本里香の最後のパートです。"見えない未来"とは呪いになってしまった折本里香が乙骨憂太と結ばれる未来が見えない絶望を表していて、"消せぬ過去"とは今までにやってしまった行為への後悔を表しているんだろうなと思いました。そこから"あなたで満ちれば後悔はないよ"であなたの愛で満足ですってことを表現しているのではないでしょうか?

 だからこの辺は折本里香の呪いを解呪したところがしっくりくるなって思います。

最期にもう一度 力を貸して

その後はもう 何も要らないよ

僕の未来も心も体も

あなたにあげるよ 全部全部

 まあここは誰が何と言うと乙骨憂太目線でしょう。乙骨憂太が作中で言う台詞を最後で使っていることが素晴らしいですよね。それにKing Gnuが作品のリスペクトとして作中の台詞を引用したと思うと、いちファンとしてテンション上がります。

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